特定調停とは

借金が増えて、このままだと返済ができなくなりそうだけど、可能な範囲で返済を続けたいと考えている方は、特定調停を利用して返済の方法を調整することが可能です。

特定調停は、借金の返済ができなくなりそうな人が、簡易裁判所に申し立てをし、裁判所で調停委員に仲介してもらって、債権者に返済の軽減を働きかける方法です。

調停は任意整理と違って、裁判所が間に入っているので、調停委員が、利息制限法での取引履歴の計算を前提として、公平な合意が成立するように、働きかけてくれます。

そのため調停は、ある意味では、裁判所を通した任意整理とも言えますし、個人再生に似た面もあります。

原則として相手方の会社所在地(管轄)の簡易裁判所に申し立てをします。また、債権者が複数の場合は、全て同じ裁判所で申立をすることが可能です。

メリット

1.調停委員が入っているので客観的に公平・公正な解決方法になるように導いてくれる

任意整理と異なり、直接債権者とやりとりはしません。間に調停委員が入るので、冷静にどっちにも有利・不利が偏らないように考えてくれます。

また、違法ではない内容になるように、負債額は取引履歴を利息制限法に引き直した残額が基準になります。そのため、取引が長い人ほど減額率は高くなると言えます。

2.自分の返済の希望を直接債権者に伝えることができる

自分のやりたい方法での返済方法を伝えることができます。

具体的には、「減額して一括払い」にしたいのか、「一定期間の猶予をもらってからの○○回の分割払い」にしたいのか、「利息・損害金の支払い免除」を希望するのか、こんな風にしたいという「返済表」を作って提出するのか、などです。

3.費用が安く済む

基本的に、申立から毎回の調停への出頭・返済まで全て自分で行うので、弁護士や司法書士に払うお金がかかりません。

もし、依頼した場合でも文書の作成だけになるので、かなり費用は安く押さえられるでしょう。

デメリット

1.結果が不確実

必ずしも相手方が調停に応じてくれるとは限りませんので、長引く可能性がありますし、不成立になる場合もあります。

また、申立人にとっても相手方にとっても公平になるように調整されるので、自分の意見だけが全部通るとは限りません。こちらも譲歩する必要があることは頭に入れておきましょう。

2.自分で出廷する

裁判所で行われる調停に毎回出席し、自分で債権者と交渉をしなければいけません。

任意整理・他の3つは司法書士・弁護士に手続をお任せすることができますが、特定調停はそれができないデメリットがあります。

また、管轄(担当する裁判所)が原則相手方の所在地なので、遠方の裁判所に毎回出向かなければならなくなる可能性があります。

とりあえず最寄りの裁判所に申立書を提出すれば、そこで担当してもらえる可能性もありますが、遠方に行かなければならなくなった場合のことも覚悟しておかなければいけません。

また、調停は平日の日中に行われるので、仕事を休まなければいけない、ということもデメリットの1つです。

具体的な解決までの流れ

1.自分で調停申立書を簡易裁判所へ提出する

調停申立書の書き方は簡易裁判所の窓口で教えてもらえますので、気軽に問い合わせてみましょう。もちろん弁護士や司法書士に依頼してもOKですが、代理人になってもらうことはできませんので、提出するのは自分です。

また、「管轄」といって調停を行う簡易裁判所の場所は、基本的に相手方の貸金業者の会社の所在地ですが、分からない場合はお住まいの最寄りの簡易裁判所に申立を行いましょう。

東京や大阪など相手方の貸金業者の会社所在地の裁判所に転送(移送)されることもありますが、最寄りの裁判所で対応してくれる(自庁処理)場合もあります。

2.調停期日に出頭する

調停では、申立人(自分)と相手方(貸金業者)の双方が簡易裁判所へ出頭します。

1回目は、調停委員によって、申立人の申立人の生活状況や収入、今後の返済方法の希望の聞き取り、相手方の意向も聞き取りなどが行われることが多いようです。

2回目以降では残債務の確定や、具体的な返済計画をたてていきます。具体的には、2~5年(多くは3年以内)の返済期間で全ての借金が完済できるかを、調停委員が検討していきます。

申立人と相手方の意見が合意に至るまで、毎月1回くらいのペースで調停が続きます。

3.調停の成立

双方の合意がまとまったら、調停調書が作成されます。申立人は合意した内容通りに返済を行っていくことになります。

この調停調書には判決と同じ効力があります。債権者の希望で、約束通りに返済できなかった場合にすぐに強制執行(給料の差押えなど)ができると書かれる場合があります。その場合、返済が滞ったらすぐに給料が差押えになる可能性もありますので、完済するまでは気を引き締めておきましょう。

なお、どうしても折り合いがつかない場合は、不成立となることもありますし、調停をすすめていく中で、客観的に見て、どうしても返済が無理そうだと調停委員が判断した場合は、破産申立など別の手続をおすすめされる場合もあります。

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