引越し費用を節約したいと考えたとき、まず思いつくのは「業者に頼らず自力でやってしまおう!」ということ。
見ず知らずの人が自宅に入ってくることなく自分のペースで片付け、移動ができる。
一見、気持ちも楽そうに思えますがメリットだけでなくデメリットもあります。
自力が良いのか?はたまた、お金を払って全てを任せてしまった方が逆に安く済むのか?、考えてみたいと思います。
自力で引越しをするメリット
引越し業者を使わず自力で引越しをするメリットは、3つ挙げられます。
- 自分のペースで引越しできる
- 引越し業者を家に上げずに済む
- 引越し業者の料金が抑えられる
特筆すべき点は、引越しにかかる費用が業者と自力では大幅に違うことです。
引越し業者の繁忙期である3月や4月に引っ越さなくてはならない場合、かかる料金は通常時の2倍から3倍になることもあり、金銭的な負担が大きくなってしまいます。
しかし自力で引っ越す場合、シーズン問わず費用は一律です。
節約すればさらに費用削減もできるので、場合によっては業者を利用する料金の半額以下での引越しができてしまいます。
自力での引越しが向いているケース
業者へ依頼料がかからないとはいえ、重い家具家電を自分で運ばなくてはならない自力引越しは、なかなかハードルが高いです。
自力でできるかできないかは「自分で荷物が運べる」が条件になります。まずは、自力での引越しが向いているケースについて紹介します。
単身での引越し
家具家電といった家財が小型で、必要最低限しか持っていないのであれば、自力での引越しはそこまで大変ではありません。
家電の運搬・搬出入を手伝ってくれる人手が確保できれば、時間もそこまでかかりません。
例えば、単身で転勤を繰り返している人や、ミニマリストで持ち物を極限まで減らしているという人が当てはまります。
実家から一人暮らしを始める引越し
現在実家住まいで、まだ家具家電はほとんど持っておらず、新居に入ってから一式揃えようと思っている人も自力での引越しに向いています。
段ボールに入る衣類や生活用品だけの運搬であれば、自家用車を使ったり、宅配便で送ってしまえば簡単に引越しが済んでしまいます。
荷物の量によっては、旅行用スーツケースを利用し一人で引越すことも可能でしょう。
家電は運送会社に依頼、自分が運ぶのはスーツケース1~2個という引越し
運送会社は家電を梱包して運んでくれるサービスも行っています。
家具家電といった大きな家財は運送会社に依頼し、それ以外の荷物をスーツケース1~2個程度に収納し、自分で運ぶパターンでも引越し費用が安く済みます。
しかし家財が多く、大型家電を3個以上運んでもらう場合は、「軽トラ1台分でいくら」という目安で料金が決まる引越し業者を使った方が安くなることもあります。
そのため、引越しの見積もりと家電の宅配便の費用合計を比較検討をすることがオススメです。
自力でやるデメリット
結論からいうと、引越しは素人がやるのはなかなか難しいものです。
予想外のことが起こったり、疲労や怪我など思った以上の負担がかかる場合もあります。デメリットも十分把握した上で引越し方法を決めるといいでしょう。
思った以上に時間がかかる
引越し業者はお金さえ払えば、荷物の梱包・搬出・運搬・搬入・荷解きまですべて請け負ってくれます。しかし自力での引越しは、全てを自分で行わなくてはなりません。
また素人が行う作業なので、梱包する時間や車に積載する時間など、予想以上の時間がかかってしまいます。
更に自家用車は積載量が少なく、家財が多い場合は旧居と新居を往復しなければなりません。遠方へ自力引越しする場合、かなりの時間が必要となってしまいます。
友人に手伝って貰う場合、御礼の食事や交通費などの出費がある
友人に手伝ってもらう場合、なんのお礼もなく手伝ってもらうというわけにはなかなかいきません。
休日を当てて手伝ってくれるのですから、食事代・交通費といった費用に加え、人によってはお礼代金も必要でしょう。さらには、あらゆる配慮や気遣いが求められます。
確かにそれらを含めても、自力での引越しは安い方ですが、手伝ってもらった人数分だけ人件費が発生するのは必須です。
ダンボール、ガムテープなどの梱包材は自分で用意
引越し業者に依頼すれば無料でもらえる段ボールやガムテープも、自力で揃える必要があります。
引越しに必要な段ボール数は単身で30~50箱くらいと言われています。ホームセンターで購入、またはスーパーやドラッグストアで貰える段ボールを調達しなければなりません。
スーパーなどで無料の段ボールもらってくる場合、ひとつひとつ段ボールの大きさが異なるので車に積載する際にデッドスペースが生じやすく、積載率が悪くなってしまう可能性があります。
その点を考慮すると、荷物が多い場合は丈夫で規格が揃っている段ボールをホームセンターで購入するのがおすすめです。
自家用車がない場合、レンタカー代がかかる
自家用車がない場合はレンタカーを借りることになりますが、レンタカーは丸一日借りるだけで結構な費用が掛かります。
レンタカーショップの開店時間は大体9:00からなので、もっと早い時間から積み込み作業をしたい場合、前日から借りる必要があります。
ただそうなると1泊分の料金がかかりますし、遠方であればガソリン代もかかります。
自力での引越しコストはそれらを含めて計算して、引越し業者の費用との比較をしなくてはいけません。
大型家電がある場合、運搬に人手がいるため手伝って貰う必要がある
重い家具家電は一人では運べません。家財が多い場合は、友人や家族に手伝いを依頼する必要があります。
重いものを持つ為、頼むのは力のある若い人が好ましいです。さらに、当日になってドタキャンをしない信頼できる人を集める必要もあり、人材の確保が難しいでしょう。
頼みやすいからと両親に手伝いをお願いしたくもなりますが、無理をして身体を痛めてしまう可能性があるので、年配の方への依頼はあまりオススメしません。
平坦な道の移動に手押し台車があると便利、と言う場合はレンタル費用がかかる
重い荷物や大量の段ボールを一度にたくさん運ぶ場合、手押し台車があると便利です。台車が一つでもあるか、ないかで作業効率や疲労度合いが変わってきます。
台車は一般家庭にあるものではないので、レンタルをすることになりますが、当然レンタル費用が発生します。
手押し台車1台を1泊2日で借りるレンタル料金の相場は、往復送料込みで1万円前後。
こういった細々した費用が発生するのも自力引越しのデメリットです。
他人に手伝って貰った場合、何かが破損しても責任を問えない
自力での引越しは素人によるものなので、家財の落下・横転といった事故が起きやすいです。その際、高価な家財が破損・故障してしまう可能性があります。
引越し業者を利用しての破損であれば弁償してもらえることもありますが、知人に手伝いを依頼している場合は破損の責任を問えません。
弁償してもらうことはほぼ不可能であると覚悟した上で、手伝いをお願いする必要があります。
搬出・搬入の際、物件に傷つけてしまう可能性がある
引越し業者は搬入の際に物件に傷をつけないよう、家具家電を毛布などで完璧に梱包し、物件の壁や床、エレベーターの養生を行ってくれます。そして万が一トラブルがあれば、保障をしてくれることがほとんどです。
その点、自力で引越しをする場合、養生の道具をレンタル、もしくは購入する必要がある上、養生する作業に慣れていないので、それだけでも時間が掛かってしまいます。
さらに、家財を運ぶノウハウを持っていないので、壁などにぶつけて破損させてしまう可能性が非常に高いです。
物件に傷をつけてしまった場合、管理者から高額の修繕費を請求される可能性もあるので十分に注意しましょう。
素人の運搬は不慣れが原因で時間がかかる
引し業者は、搬入出のあらゆるノウハウを持っているため、その手際は驚く程良いです。
大型家財もあっという間に毛布などで梱包し、ものの数分で搬出・搬入してくれます。チームワークも抜群で、単身の引越しであれば30分もせず搬入出が終わることも。
素人が同じように手際良くやろうとしても、到底できるものではありません。
素人だけの引越しは、業者を利用した際の2~3倍、もしくはそれ以上時間がかかると考えるといいでしょう。
自力でやる引越しは”得”か?”損”か?の結論
自力での引越しが”得”なのか”損”なのか?
それはずばり、荷物の量によって決まります。
家具家電や荷物が多い場合
例え費用が高くても、引越し業者を利用する方が合理的です。
自力で引越すと労力や時間がかかりますし、なにより家財や物件の破損といった大きなリスクも伴います。
もし何かあれば、高価な家財が使えなくなったり、弁償したりする必要も出てきます。
また、通常の生活に戻るには、引越し後の荷解きや片付け、手続きなどの作業もまだ残っています。
搬入までは素早く終わらせた方が良いという点でも、引越し業者にお任せした方が良さそうです。
家具家電がほとんどない場合
自力で引越した方が圧倒的にお得です。
自家用車がない場合でも、運送会社に段ボールの配達を依頼すれば、比較的安い価格で旧居から新居の玄関まで荷物を運んでもらえます。
大型の家財がなければ、引越しの手間はほとんどかかりません。引越し業者を利用してしまうのは、とてももったいないケースと言えます。
家具家電が小型で必要最低限のみの場合
自力と他力を使い分けることで、時短で労力もかけず、リーズナブルな引越しができます。
大型家財は運送会社の家財運送サービスや、引越し業者の単身・独り立ち用パックといった格安のプランを利用し、残りは自家用車で運んでしまうような引越し方法です。
自力だけでなく他力をうまく使うことで、引越し業者を利用するよりも快適に引越しすることができるでしょう。
自分の場合、どれが一番安く引越しできるんだろう?
そう悩むようであれば、あらゆる方法の見積もりを取ってみると良いです。
ある程度のパターンを把握しておくと、引越し業者に値下げしてもらうための良い交渉材料になる可能性もあります。
下調べは少し大変かもしれませんが、安くて快適な引越し方法を知るためには、下調べが欠かせません。
自分にあった引越し方法を見つけて、満足のいく引越しをしてくださいね!