新しい住まいに引っ越しするとき、必ず引っ越し前に済ませておきたいのがエアコンの手続きです。
- 「エアコンは自分で取り外ししてイイの?」
- 「安い料金で済ませるにはどうしたらイイの?」
少しでも費用を抑えるために学んでおきたいエアコンの引っ越し術を詳しくご紹介します。
エアコンの引越し方法
部屋に取りつけているエアコンを引っ越し先の住まいでも使いたいとき、どのような方法があるでしょうか。
エアコンは室内機と室外機、それをつなぐパイプで構成されています。一見シンプルに思える仕組みですが、いざ自分でトライしようとすると、配線やコードが複雑に絡み合っていて、うまく取り外しすることができません。
またエアコン内には温度のコントロールをするガスが含まれていて、移設するとき「ポンプダウン」と呼ばれる、特殊な作業を行う必要があります。
ポンプダウンを正確に行うためには、特別な電気の技術と高度なワザが必要になります。
自分で済ませる方が安いから……と手短に済ませてしまうと、配線やポンプダウンの手順を取り間違えエアコンを故障させ、かえって高くつく可能性もあります。
遠回りのように見えても、エアコンの引っ越しはプロの専門業者に依頼するのがおすすめです。
エアコンの取り外し・運搬・取り付け。主要な3つの依頼先
エアコンの取り外し・運搬・取り付けは、どのように進めれば良いのでしょうか。良くあるシーンの中から、3つのパターンをご紹介します。
パターン1:引っ越し業者にオプションで頼む
引っ越し業者に家財道具などを運んでもらうとき、オプションを追加して「エアコンの取り外し・新居での取り付け」も行ってもらう方法があります。
見積もりの際にオーダーするだけなので手順もとても簡単です。追加料金はいくら掛かるか?だけ確認しましょう。
引っ越し業者に頼むメリットは「手続きが簡単になる」ことです。
エアコンの専用業者を探してスケジュールを交渉する手間が省けるため、引っ越し時の負担が少なくなります。時間がない方・面倒な手間を省きたい人におすすめです。
■引っ越し業者のエアコンオプションの場合:料金の目安
例:ヤマトホームコンビニエンス | 取り外し | 8,000円~ |
---|---|---|
取り付け | 12,000円~ |
引っ越し業者にエアコンの取り外しと運搬・取り付けをお願いするときの料金相場は「1台約2万円~」です。引っ越し先にエアコンの電気配線がない場合は新たな工事が必要になるため、追加費用がかかる場合もあります。
パターン2 :自分でお引っ越し、エアコンだけ業者に依頼する
荷物が少ないとき・近距離の引っ越しでは専門業者に頼まず、レンタカーやトラックを借りて自分で引っ越しする方が安いケースもあります。
このようなとき厄介に感じるのが、素人では難しい「エアコンの取り外しと設置」です。
エアコンのお引っ越しは自分でおこなえないため、電気関係の専門業者に頼むのが基本です。
工事に慣れている街の電気屋さん・家電量販店・エアコンの専門業者に依頼をかけましょう。
街の電気屋さんは良心的な値段で受け付けてくれるものの、引っ越し先が遠方にある場合、設置は別の業者を頼むよう注文を付けられることもあります。
家電量販店では「そのお店で購入したエアコンのみ」承ってくれることが多いため、購入履歴がわからないエアコンの引っ越しは断られるケースもあります。
エアコンの専門業者は全国の業者とタッグを組んでいることが多いため、全国どこのエリアでも作業をお願いできるのが良いところです。
自分に合ったエアコン業者を選び、スムーズな引っ越しを目指しましょう。
■エアコン業者にオーダーした場合:料金の目安
街の電気屋さん | 取り外し | 7,000円~ |
---|---|---|
取り付け | 14,000円~ | |
家電量販店(例:ビックカメラ) | 取り外し | 4,000円~ |
取り付け | 9,800円~ | |
エアコン専門業者 | 取り外し | 4,000円~ |
取り付け | 11,000円~ |
パターン3:新居にエアコン有り、古いエアコンを処分する
新居にエアコンが既に付いているとき、今使っているエアコンを処分する必要があります。
そんな時でもエアコンを勝手に外して、家庭ごみとして収集所に出すのはタブー。
エアコンは家電リサイクル法で「リサイクル料金を支払って、適切に回収してもらうこと」が決められているからです。
回収方法は次のとおりです。
1)購入した店舗に連絡する
費用の相場:1台2,000円~(リサイクル料金+運搬料)
エアコンは家電リサイクル法で「販売したお店は、回収の義務があること」がルール化されています。
購入したお店がわかる場合は、連絡を入れてみましょう。指定した日にエアコンを引き取りに来てくれます。
また新規でエアコンを購入する場合、割引サービスを受けられることもあります。交渉しだいでは費用を安く抑えることもできます。
2)家電量販店に処分してもらう
家電量販店にお願いする場合は「エアコンの取り外し工事」も含めて委託できるため、作業が簡単に行えるメリットがあります。
取り外したエアコンを廃棄するため「家電リサイクル券」を別途支払う必要があります。家電リサイクル券はメーカーによって異なるものの「1台972円~」が目安になります。
リサイクル券の料金に取り外しの工事代金・スタッフの出張代金などが加わり「1台2,400円~3,400円程度」かかります。
3)家電リサイクル協力店に頼む
費用の相場:1台2,500円~(リサイクル料金+運搬料)
記憶があいまいで、どこの店舗で購入したか分からない場合は、お住まいの自治体のHPをチェックしてみましょう。
自治体のごみ関連のページを開くと「家電協力店のリスト」が掲載されています。
スケジュールが空いていれば、当日や翌日に回収に来てくれることもあります。
自治体のHPに掲載されているため信頼度が高かったり、近所のお店のため早めに回収してくれる等のメリットがあります。
4)リサイクル業者に再利用してもらう
リサイクル業者に委託するとき、エアコンは再利用される目的で引き取られるため、家電リサイクル券の料金を支払う必要はありません。
1台あたり約3,000円で承ってくれるところが多くなっています。
5)自分で「指定引取所」に持って行く
指定引取所とは、家電製品協会が決めた指定場所のこと。指定引取所に持って行くとき、エアコンの取り外しを既に済ませ「家電リサイクル券」を準備しておく必要があります。
「1台972円~」の家電リサイクル券は郵便局で購入できます。
リサイクル券代+運搬のガソリン代+エアコンの取り外し代(依頼する場合)がかかります。
■指定引取所の検索はコチラから
6)「粗大ゴミ専用業者」に依頼する
費用の相場:1台3,000円~
粗大ゴミ専用業者のメリットは、引っ越しのとき出てくる不用品を一度にまとめて処分できること。
エアコン1台のみも、引き受けてくれるため安心です。自宅まで回収に来てくれるため、小さなお子さんがいるファミリー世帯にも人気があります。
メリットは、コストが安い、パソコンや冷蔵庫、エアコン以外の家電も処分できる等です。
エアコン設置と同時に行いたいサービス
古いエアコンのタバコやカビの臭いが気になったことはありませんか。
エアコンのお引っ越しと同時に行いたいのが、「クリーニング」です。
エアコン内部が汚れていると雑菌が繁殖しやすくなり、アレルギーの原因になることもあります。
小さなお子さんや年配の方がいるご家庭では、引っ越しついで掃除を済ませておくと楽です。
エアコンのクリーニング:料金の目安
■簡単なお掃除なら→7,500円~
購入したばかり、または、あまり汚れが付いていないピカピカのエアコンは、費用の安い簡単なお掃除を。
パネルやフィルターを集中的にキレイにしてくれます。作業時間は1時間程度で終了します。
■本格的なお掃除なら→18,000円~
購入して時間が経った劣化エアコンは、本格的なクリーニングを。内部の機器を分解して高圧洗浄するため爽やかな空気に包まれます。
作業時間は2~3時間程度かかります。
基本的に、自分で買ったエアコンは旧居に置いていけない
エアコン付きの物件に越すため、自分で購入したエアコンが不要になり、「このまま置いていってあげよう。」と考えますが、この時思い出して欲しいのが、賃貸アパートやマンションにおける「原状回復のルール」。
原状回復とは、入居したときと同じ状態に戻して退去すること。
つまり、一般的には自分で購入したエアコンは、退去のとき必ず外すことが求められます。
新しいエアコンを破棄しなくてはいけない場合、念の為、大家さんや管理会社の方にひとこと相談してみましょう。
大家さんのご厚意で、特別にOKを出してもらえることもあります。
このとき「エアコンは次の方が使用できるキレイな状態のもの」であることが前提のため、クリーニングを行う必要があります。
クリーニング料金は1~2万円程度かかることもあるため、破棄する方が安いケースもあります。
どちらが負担にならないのか、よく考えてから判断しましょう。